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18日目 深雪さんへ ビール出ました！ 荷物から肉が無くなっているけど追求するのはやめておきます。ええ。 ああ、何ヶ月ぶりだろう。 これというのもスケさんが四旬節を… …手帳の上にポトリとペンが落ちた。 「あああああっ？！」 夕食後ののんびりとした空気を引き裂くようにカクの声が周囲に響く。 「何だ、どうしたっ？！」 明日の朝食の仕込みをしていたスケが、慌てて顔を上げた。 「スケさん！カーニバルと言う事は、もう三月って事ですよね…」 「あ？ああ、時間の流れが怪しいもんだが、恐らくは…な。」 危険が迫っている訳ではない事を理解し、スケは気を緩める。 「会長！」 「なにかのぅ？」 カクの声に驚いたハチとシチをなだめながら、ご隠居が応える。 「帰りましょう。早急に！」 「帰り方が分かるなら構わんが？」 力のこもったカクの提案を、理由も聞かずに反対もせずに、さらりと受け流す。 カクは数秒固まった後、がくりと肩を落としてヨロヨロと壁にもたれ掛かった。 「どうしたのじゃ、デートの約束でも忘れていたか？」 既視感ただようご隠居の台詞にカクは首を横に振る。 「…誕生日なんです…深雪さん」 出会ったのは四月 告白したのは六月 最後に会ったのは十一月 今は三月… 『うん、わかった。そうするよ。 でも何ヶ月先でも何年先でも また会えたら また好きになるのは私の自由だよね？』 思っても見なかった… こんなにもあの人に報いる事ができず 苦しいなんて… 「何だ、泣き寝入りか？」 白いベアを抱えて眠るカクの枕元でスケが呟く。 暫し待って反応が無いのを確認し、ため息混じりに手にしたトレーを見つめた。 「何て言うか…間が悪いよな、コイツって；」 呆れたような同情したような台詞を残し、引き返す。 「ご隠居ー、夜食にビールとソーセージどうですかー？」 「うむ、いただこうかのー。」 ちゃぶ台にトレーを置いたその時 「ちわーっす。あれ、もう寝る時間ですか？」 やって来た人物をスケが感心したような、呆れたような口調で迎える。 「間が良いな、スペイン人。」 「スペイン人じゃねえって」 「バルド君だったかの、どうしたんじゃ」 やって来た人物はミツクニスの台詞にうんうん頷く。 「ほらみろ偉い人はちゃんとしてるぜ。ご無沙汰しております、先日は結構なお菓子をありがとうございました。チョコのお返しをする時期らしいので、ささやかですが・・・」 そういいながらバルドは持っていた袋から何やら取り出した。 「えーと、これは…フランス人の分」 「お前も違うぞ」 無視。 「『未明のお菓子・電気うなぎパイ』トッピングに『ドンパッチ』を混入した、麻痺Lv0的なパチパチ味に仕上げてある。いや、もちろん本当に麻痺するわけじゃないので、安心して食べてくれぃ。」 スケが何か言いたそうだったが、無視続行。 「これは会長さんに」 液体の入ったガラス瓶を取り出した。 「まぁ、いろいろ考えたのですが地酒とかそのへんでひとつ。『Ron del Barrilito』、ラムっす。」 さらにガサゴソ。 「これは、そっちの寝てるドイツ人に」 「何でそっちは合ってんだよ」 「『合成着色料的な色の雷おこし』。もしかしたら、食べたら何かの耐性がつくかもしれないけど、あまり期待したほうがいいかもしれん。と伝えてくれ。」 スケはへいへい、と適当に返事をしながら、トレーから皿やジョッキを配膳する。 「まあ、礼は言っておく。あと、時間あるなら食って行くか？」 こうして夜は更け、夜食は消えるのだった… †:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:† 今日のメニュー スケ：なし カク： 質素な保存食 を料理してもらい、 何かとにかく炒めたもの を受け取りました。 スケさん「時間ないんだよ！」 会長： 質素な保存食 を料理してもらい、 何かとにかく茹でたもの を受け取りました。 スケさん「すいません！バルサミコはかけときましたから！」 †:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:† |