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12日目
深雪さんへ

お元気ですか?こちらは相変わらず謎の生物と戦う毎日です。
変化が無く退屈です。

そこで、昨日からちょっとした物を作り始めました。
まだ出来あがりまでの目処は立っていないのですが、
何回か練習をして、満足のいく物が出来たら深雪さんにプレゼントしますね。
のんびり待っていて下さい。

カクリッヒ・アツミハルト


「スケさん。」
「ん?どうした?」
夕飯の準備をしていたら、自分のスーツを縫っていたカクが話しかけてきた。
「前々から一度聞こうと思っていたのですが…」
チクチクチク…
「なんだよ。」
グツグツグツ…
「どうしてスケさんはMFJ(ミトーファイナンスジャパン)に入社したんですか?」
「は?なんでまた。」
チクチクチク…
「いや、スケさんなら地元でホストでもやっていた方がずっと楽に稼げるように思えて。」
コイツは…本当に直球しか投げないな…
「とりあえず、一つ誤解をといておくとだな、イタリアでは日本みたいなホストクラブは営業できないぞ」
「規制か何かですか?」
「いや。言うなれば、街中すべてホストクラブみたいなもんだから。しかも無償。」
「あー…」
カクは縫い物の手を止め、目からウロコといった表情で天を仰いだ。
グツグツグツ…
「第一、お嬢さん方から金銭を搾取するような……」
いつもならこのまま適当なヨタ話でごまかすところだが、
何となく今日は普通に話をしても良いか。
そんな風に思えたから、俺は懐かしい話をすることにした。

グツグツグツ…
「ああ、そんなに面白いモンでもないんだけどな。俺、正式に入社してないんだよ。」
「…はあ?」
「3年で大学でてから…イタリアの大学は3年で下部卒できるんだが、上に行くのがめんどうになってさ。」
「なんというか、スケさんらしいですね。」
「ま、それで、社会人って肩書きを得るために、ミトーファイナンスイタリイの社員になったんだ。」
「なんだ、入社してるじゃないですか。」
「いや、してない。」
暫しの間。
「…話が読めないんですが。」
「簡単に言うと、社員って肩書きを偽造したんだよ。」
「…えええ?!!」
思わず叫んだカクが慌てて口を閉じる。雇用主の近くで話して平気な話なのかこれは?
「多少難儀したが、なんとかコンピュータにも潜り込めたし、営業に配属って事にして、次の日から出社してたんだ。」
「わ、私の理解の枠を越えているんですが…」
スケは無視して続けた。
「しばらく働いてたら営業が意外と面白くてさ。なんか成績も良かったし。つい気が緩んでたところで、素性がばれちまったんだよ。」
「まあ、そうでしょうね。そうじゃないと困ります…」
「ん?」
「いえ。」
「それで、サツに引き渡されるかと思ったら、とあるお方が俺のことを知って、使えそうなヤツだの一言で、その場で採用されたってわけさ。」
「とあるお方。」
「ああ。俺が言うことを聞くたった二人の男の一人さ。」
「…。」

カクは作業の手を止めて、寝袋のところでハチと遊んでいるご隠居の方を見ていた。
俺は鍋を火から下ろしてこう言った。

「さ、今日は寒いからトマト鍋ですよー、ご隠居!」
「お、桃太郎か?」
「そんな品種まで揃えられませんよ。その辺のやつです。」
「おっとうっかり!」
「まあ、スケさんの料理ならばなんでもよかろう。カーッカッカッカ」

鍋を抱えて笑う俺にカクが言う。

「ところで、もう一人ってどなたなんですか?」
「さあな。」

にやっと笑う俺。
?を顔一面に貼り付けるカク。
すでにおたまととんすいを構えるご隠居。
うっかりしているハチ。

明日も、こんな調子でもいいかも知れないな、うん。

余談
木瓜 から アルマーニのスーツ(色違い) という 防具 を作製しました。
「流石スケさん、補正バッチリですよ」
相変わらず、奇跡的な出来。
しまった、型紙の時点で気づくべきだった。
これじゃあお揃いじゃないか;

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今日のメニュー

スケ:
おいしい草 を料理し、 恵方巻ツナ(今年の恵方は北北西) をつくりました。
「うん、結構上手に出来たな。ご飯モノはあんま得意じゃないんだよな。」

カク:
おいしい草 を料理してもらい、 恵方巻エビ(今年の恵方は北北西) を受け取りました。
「食べ終わるまで無言だぞ。」

会長:
おいしい草 を料理してもらい、 恵方巻カニ(今年の恵方は北北西) を受け取りました。
「ちょっと細めに巻いてますけど、のどにつかえさせないでくださいよ。」

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