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5日目 深雪さん、お元気ですか？ 前回書いたように、やはり犬がいました。 会長は犬を手懐けようとして、前へ前へと出ていってしまうので 護衛の任務を負っている私達としては困ってしまいます。 ここへ来てから、時間の感覚がおかしいので何日経ったのか良くわからないのですが、 とても長い間深雪さんに会っていないような気がします。 まさかこんな携帯圏外の場所へ来るとは思わなかったので、 いつも通りの挨拶しかせずにわかれてしまったのが気がかりです。 しかも、何日も！ 会長の気まぐれにも困ったものです。 そうそう、犬を追い払ったので料理を教えてもらいました。 でも感覚的な話が多くていまいち良くわかりません。 イタリア人やフランス人はどうしてあんなに料理にうるさいのでしょうね。 確かに食べると美味しいのですが、もっと明確に説明して欲しいと思います。 あと、こちらにはクリーニング店が無いので、洋服の処置に困っています。 出張用の一式の中に一回分は着替えも入れていたのですが、着替えても洗う場所がありません。 乾燥していればともかく、温度も湿度もそれなりなので着替えがないのは辛いです。 スケさんは何日も着ているのに耐えられないらしく、使い捨てにしようかと言っていました。 デザインを描いて、自分で縫おうとしていたようなのですが、 途中で疲れたと言って縫い物を交代させられました。 もうちょっと体力つけた方が良いですよね。 それを見ていた会長にも、縫い物を頼まれました。意外な事で忙しいです。 では、またお手紙します。 御身体にお気をつけください。 カクリッヒ・アツミハルト 「あいてててて…」 スケは傷をかばいながら包丁を持った。 昨日の犬との戦闘。ミツクニスとカクがあとちょっとでやられるところだった。 ……こええな。 ここでは毎日戦闘である。しかも相手は人間ではない故、話し合いもハッタリもきかない。 考え出すと、どんどん悪い方向へ転がる。 いかんいかん、スケは軽く首を振り。意識を楽しい方向にかえる。 今日は新しい服も手に入る。 料理の材料も早く見つかるといいな。 カワイイ女の子もな♪ 「スケさん」 縫い物と手紙を終え、カクが寄って来る。 「シュトレンを作ってもらう事は可能ですか？無性に食べたくて……」 「シュトレンか。」 スケの脳内のレシピが検索される。 ドイツの菓子パンで、クリスマスを待つアドベントの間、少しずつスライスして食べる。 生地にはドライフルーツやナッツが練りこまれており、表面には砂糖がまぶされている。 「まあ、この時期だからな。しかし、中に入れるドライフルーツもナッツも上にかける粉砂糖もないが…作るか？」 「へっぷし☆」 ミツクニスがくしゃみをした。コートを持ってこなかったのでそろそろ肌寒い。 「風邪を引いたかも知れないのう……」 カクが心配してジャケットを差し出す。 「よし、何か栄養のつくもの作りましょう。」 スケも脳内レシピのページを変更する。栄養栄養、材料は…… 「あれ？さっきココに旨そうな肉があったようにみえたのに……」 スケは辺りをきょろきょろと探す。と、 「あー、またかぁ」 別のものが見つかったようだった。恒例のナマモノ。 カクが速やかにミツクニスの前に出る。とその隣に（動く）草が並んだ。 「この草も闘うんですか……？」 カクは驚いた顔で草を見つめた。 スケも同時に草を見つめたのだが、思いは違っていた。 ……ジェノバソースとかどうだろうか †:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:† 今日のメニュー スケ： パンくず を料理し、 クリームコロネ をつくりました。 「やっぱチョコよりクリームだよな。」 カク： パンくず を料理してもらい、 パンをサイコロに切ってあげたもの を受け取りました。 「クルトンっていうんだぜ。……知ってたか？」 会長： パンくず を料理してもらい、 パンパスタ を受け取りました。 「そこの動く雑草のソースでいただきましょう（むしりむしり」 †:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:†:.｡.:ﾟ:.｡.:† |